JR湯浅駅(ゆあさえき)歴史紹介
JR湯浅駅(ゆあさえき)は、和歌山県有田郡湯浅町大字湯浅にある。所属は紀勢本線(きのくに線)の駅である。
特急「くろしお」の一部が停車する(主に新大阪〜白浜間を運転する停車型タイプ)。
この町に「湯浅」という駅が最初に出来たのは1915年(大正4年)5月のことで、有田鉄道が湯浅の港にある海岸駅からこの湯浅を経て下津野駅に至る路線を開通させたのに伴って有田鉄道の湯浅駅(ゆあさえき)が開業したのであるが、この「湯浅駅」は現在の当駅とは異なる。
1927年(昭和2年)8月には国鉄紀勢西線が藤並駅から紀伊湯浅駅(きいゆあさえき)まで延伸となり国鉄も当地への乗り入れを果たすが、この紀伊湯浅駅が現在の湯浅駅になっている。紀伊湯浅駅は開業当初は紀勢西線の終着駅であったが開業1年後の1928年(昭和3年)10月に紀勢西線は紀伊湯浅駅から紀伊由良駅まで延伸となり、終着駅ではなくなった。
戦争が始まると、紀勢西線と有田鉄道が並行する状態は、資源(レール等)の有効活用から望ましくないとされ、1944年(昭和19年)12月には有田鉄道の藤並駅から湯浅駅を経て海岸駅までが「不要不急線」として休止になり、1959年(昭和34年)4月には結局復活を見ず廃止となったため結局湯浅の町には紀勢西線の紀伊湯浅駅のみが残った(有田鉄道は廃止線の代替として、休止のおよそ6年後の1950年(昭和25年)4月より藤並駅から当駅まで紀勢本線に乗り入れをするようになる)。
紀伊湯浅駅はその後1959年(昭和34年)7月には今の紀勢本線が全通し亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となったのを受け国鉄紀勢本線の駅となり、湯浅駅への改称、さらに国鉄の分割民営化を経て現在に至っている。
有田鉄道は1992年(平成4年)12月1日に当駅への乗り入れをやめ、2002年(平成14年)12月31日限りで全線廃止となっている。
湯浅駅(ゆあさえき)の年号
1915年(大正4年)5月28日:有田鉄道海岸駅 – 下津野駅間が開業し、その途中駅として設置
1927年(昭和2年)8月14日:紀勢西線藤並駅 – 当駅間が開業し、国鉄の紀伊湯浅駅(きいゆあさえき)が設置[
1928年(昭和3年)10月28日:紀勢西線当駅 – 紀伊由良駅間が延伸開業
1944年(昭和19年)12月10日:有田鉄道藤並駅 – 海岸駅間が不要不急線として休止となり、同時に有田鉄道の湯浅駅も休止となる
1950年(昭和25年)4月:有田鉄道の当駅乗り入れ開始
1959年(昭和34年)4月3日:有田鉄道当駅 – 海岸駅間廃止。それに伴い有田鉄道湯浅駅も廃止となる
1959年(昭和34年)7月15日:現在の紀勢本線が全通、紀勢本線所属となる
1965年(昭和40年)3月1日:湯浅駅(ゆあさえき)に改称
1980年(昭和55年)10月1日:ダイヤ改正により特急「くろしお」の一部の列車の停車駅となる
1983年(昭和58年)4月1日:貨物の取り扱いを廃止
1985年(昭和60年)3月14日:荷物扱い廃止
1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道に承継
1992年(平成4年)12月1日:有田鉄道の当駅乗り入れが廃止となる
2016年(平成28年)12月17日:ICカード「ICOCA」の利用が可能となる
2018年(平成30年)11月:それまでの駅舎の北側の町有地に、新駅舎着工
2019年(令和元年)12月20日:この日をもってみどりの窓口の営業が終了
2019年(令和元年)12月21日:新改札口の供用・駅係員の無配置化(御坊駅の係員が巡回対応)・みどりの券売機プラスの稼働が開始される
2020年(令和2年):駅舎や湯浅町立図書館、観光交流センターなどの入る「湯浅 えき蔵」全面開業
2023年(令和5年)5月14日:旧駅舎に飲食店を誘致し、観光客や地域住民の交流の場としてリニューアルオープン。同駅舎は町の「歴史的風致形成建造物」に指定され、日本遺産「『最初の一滴』醤油醸造発祥の地 紀州湯浅」の構成資産にもなり、11月24日に文化財保護法に基づく国の登録有形文化財とすることが答申された